2012年08月12日
「第六次産業」の可能性
本日、商工会駐車場前で
「農業体験バスツアー&異業種交流会」
が行われました。
以前の記事でも書きましたが、従来より行われていた異業種交流会にイベント的な要素を盛り込んだこの企画、
今回の企画、なんと役場の産業振興課と合庁の協力を得られて、思いのほか中身の濃い内容になったようです。
さすが喜界島の基幹産業。高校時代、野球部に異常に予算が振り分けられていたことを思い出しました。
バスも喜界町役場が用意。さすが島の未来を支える4Hクラブ。これも日頃の実績のたまものです。
参加者もご覧の通り。急な告知にもかかわらず、様々な業種の方が参加しています。
最初に向かったのが、「松田牧場」。志戸桶の「マツジュン」の牧場です。
喜界島は畜産(肉牛)の飼育が盛んです。喜界島で生まれた子牛は、セリにかけられ、鹿児島に出荷されると
※鹿児島黒牛「ギュージンガーブラック」
このようになるそうです。
続いて「マツジュン」が牛の爪を切ります。これにも資格がいるそうです。
これも牛を高値で売るためには欠かせません。どれだけ愛情を注いでも売れなければ意味がないのです。農家の皆さんにとっては、農業=ビジネスなのです。
次に向かったのは、
こちらのハウスは、今年植え始めたところ。来年以降に実がなるそうです。奥にもうひと棟ハウスがあり、そちらでは「とある実験的な試み」がなされているようです。
こちらは収穫用のハウス。今年は生育が早かったので、収穫もほとんど終わっていましたが
まだあるようです。出荷できるほど熟すと、袋の上からも赤みが透けて見えるそうです。マンゴーは「ギフト商材」なので、「美味しければよい」だけではなく、外観も重要ということで、全体にまんべんなく光が当たり、赤みがかるように様々な工夫がなされているようです。
ここではマンゴーの試食がありました。ありがたいです。
ちなみに
「奄美群島プレミアムマンゴー 太陽用(ティダオウ)」喜界島第一号はこのハウスから生まれました。
場所を変えて、「南国先輩」の製糖工場にて「サトウキビジュース」の製作体験&試飲が行われました。
彼が持っているサトウキビは「農林22号」。品種によって「収穫高」「歩留り」「糖度」「害虫・病気への耐性」など様々な特徴があるようです。
先月、東武百貨店でも大活躍したこの機械でめいめい手に取ったサトウキビを搾り、ジュースにするのです。何かと消耗が激しいこの季節、サトウキビジュースは夏バテ防止に効果的なのです。
次に向かったのは川嶺にある彼のサトウキビ畑。この集落で農業に携わっているのは彼が最も若いのです。
籠に入っているのは、サトウキビの苗。これを植えると、約一年半後には収穫できるようになります。
一見足元に転がっている「ハーマー」も商品になったり、肥料になったりと、サトウキビは歩留まりの良い農産物なのです。
お昼をはさんでサトウキビの植え付け体験です。
このように、トラクターの後部に乗って先ほどの苗をポンポン投入していきます。
ちなみにこの機械は自作だそうです。
喜界島は行政のバックアップの元、民間の努力が加わって「農業に関するハード・ソフト」は鹿児島県でもトップクラスなのです。
彼のツナギにも注目です。彼はこの短い時間の間、3回着替えています。「農業は汚い」というイメージを払しょくしたいのも彼の思いなのです。喜界島には「ハーレーに乗る変態農家」もいますが、彼は後日紹介します。
この広さで約50万円分のサトウキビが収穫できるそうです。ガッツリ稼いで頂きたいですね。
最後に向かったのが「若松農園」さん。
喜界島で唯一パイナップルを栽培しています。
これがパイナップルの苗
「トマト」と「テンバイ」も育てています。
元来は「ただのくぼ地」だったこの場所を開拓し、土壌を改良し、アルカリ質なこの島の水を最適化し、有機栽培に挑戦している「フロンティアスピリッツ」に富んだ方です。
そして、その努力が実を結ぼうとしています。
現在国産パイナップルは沖縄が有名ですが、ここ喜界島が北限と認知されるのも近いようです。
若松さんの努力の結晶であるパイナップルの試食も行われました。外国産のパイナップルにありがちな「えぐみ」「苦味」のない味に仕上がっています。「完熟パイナップル」というのは収穫→出荷→到着までのスピードが命なので、沖縄よりも本土に近い喜界島の地理的優位が発揮され、需要につながればいいですね。
最後に皆さんで記念撮影。「喜界島農業体験ツアー」は大成功で幕を閉じました。
先月、与論島での視察でも認識しましたが、観光先進地のソフト・ハードをそのまま持って来ることは不可能です。仮に莫大なお金をかけて作っても、それを支えるしっかりとした「土壌」がなければ、何かの拍子ですぐポッキリと折れてしまうのがオチでしょう。
今回のツアー、最後にアンケートを取ったのですが、ありがたいことに参加者全員から「面白かった」との回答をいただきました。
その回答をふまえて、喜界島の基幹産業である「農業」にスポットを当て、「観光」というパッケージをすれば、これも一つの「旅行商品」になる可能性もあるわけです。
今回のツアーで回った各農家からも「ギャラリーが多いと嬉しいし、説明のしがいがある」との声も頂きました。
喜界島で採れる農産物はなにも今回紹介したものだけではありません。季節毎に様々な農作物を体験・収穫できます。今あるものに有形・無形の「付加価値」をつけることで、「喜界島オリジナルの観光」というものが出来上がれば、「喜界島の魅力」がさらに増すのではないかと思います。
4Hクラブ、産業振興課、合庁、参加者の皆様、ありがとうございました。
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Posted by レイド at 00:12│Comments(0)
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